待機児童関係

小金井市の大きな課題の一つとなっている待機児童問題。

 ブログでの関連記事をまとめました。

<2013.6.11記事>小金井市の待機児童は188人

小金井市議会の鈴木議員の質問への回答によると、小金井市の待機児童数は昨年の138人から50人増えて188人になったとのこと。


ところで、昨年のデータをみてみると、実は就学前児童数に対する待機児童数の割合は多摩でワーストでした。 (データの出典は多摩地域データブック)

待機児童数が多いとは聞いていたのですが、ワーストとは思わなかった。

実はこれは昨年待機児童数が138人の時のデータなので、今年はダントツにワーストになっている可能性もあります。


さて、26市について待機児童割合と認可保育所+認証保育所の定員数の就学前児童に対する割合をプロットしてみたのが下の図

赤のマークが小金井市。

小金井市は保育所の定員数の割合では下から4番目。

 このグラフを見てもわかりとおり、待機児童率と定員の割合は相関があることがわかります。 

 施設を作ることは時間もお金もかかりますが、他市の状況をみるともっと取り組めるように思います。 またそれだけではなく、多様な待機児童解消策を打ち出していくことが必要と思われます。


<2013.8.16記事>多摩地域の待機児童減る

読売新聞より

「保育所の待機児童数が2013年4月1日現在、多摩地区で2838人(前年比104人減)だったことが都のまとめで分かった。」

 とのこと、最も多いのは町田市の257人(-104人)、次が八王子市の253人(-122人)。八王子市は人数としては多いですが、減らした待機児童の数も最多です。

 ただし、就学前の児童の人数との比では小金井が1000人あたり34人で最多とのこと。

 この記事では「保育サービスの利用者は増加しており、高まるニーズに自治体の対応が追いつかない状況が続いている。」

 とあり、中には施設を整備してもその分保育園に入れたい人が増えるのであまり意味が無いかのような発言をする人もいますが、6月11日の記事に見るように施設の定員と待機児童の間には相関があり(つまり定員が多いほうが待機児童が減るということ)、かつ、小金井市は定員の充足度合いについても多摩で最低レベルなのでまずはそこから手をつけるべきと思われます。

 ちなみに東京都の元のページはこちら


<2014.4.6記事>小金井の待機児童対策が遅れたことを示す3つのグラフ

市の重要な課題にもなっている待機児童

 平成11年からの保育園の定員の状況を近隣市と調べてみました。

 すると、26市の平均では30%増えているのに小金井と武蔵野ではあまり増えていないことがわかります。

  ちなみに国分寺市が2倍以上にふえていますが、これは平成11年時点での定員の数が多くなかったため

  その後整備し、現在は他の市を上回る水準になっています。

その一方で0~4歳児の数は少子化と言われながらも小金井市、武蔵野市とも10%を超える増加となっています。

これらのグラフから小金井市と武蔵野市は子どもが増えているにもかかわらず、他の市と比べて保育園の定員も増えなかったので待機児童が多くなっていることがわかります。小金井市と同様に武蔵野市でも異議申立がありましたが、それにはこのようなデータ的な背景があるのです。(本来は0~6歳の人口で比較すべきでしょうがデータが揃わなかったので0~4歳で比較しました)


 ちなみに東京都が公表している年齢別の人口予想では小金井市の0~4歳人口は2015年に3912人と予想されていましたが、実際には2014年1月1日現在4899人と大きな差が生じています。(なお予測は2010年の国勢調査による)

 この年代の人口の増加は大規模なマンションや団地の建設によって人口が流入することにより生じたものと考えられるので、着工時にはある程度予想できなくもない。

 一方日野市ではこどもの人口減少が予測され、なおかつ実際に減りつつもニーズの増加を見越した対策をとっている。

 

 市は「やることはやっているのに追いつかない」と言っているようですが、本当にそうなのか、ということについてはこのように数字を比較することで明らかになります。政策を作り、評価するにはまず数字を押さえることが必要ということを改めて強調したいと思います。

<2014.5.30記事>難しい人口予測

 待機児童の割合が多摩で最悪となっている小金井市ですが、その一つの要因と思われるのが人口予測。

 東京都は5年毎に年齢別の人口予測をしています。

 小金井市の平成27年の0~4歳の人口予測を見てみると・・・

 平成12年国勢調査に基づく予測:4123人

 平成17年国勢調査に基づく予測:3807人

 平成22年国勢調査に基づく予測:3912人


 と徐々に減る方向。

  実際には最新の数字で4878人 と大きく違って来ています。というか比較的予測のブレが少ないといわれる人口推計についてこれだけのブレがでるのは珍しいかも。


 実は人口予測は人の出入りがあるので狭い地域を対象に予測するほど難しく、低い年齢層ほど難しい。

 なので、都の予測は都の予測として、10年後、20年後の指針として使うのはよいのですが、2~3年先の予想は市としては地域の開発の実情などに則して人口を予測しなければならないのですが。


 もちろん、人口の予測のずれだけが原因ではなく、そもそも保育計画がないこと、大規模マンションが建てられる際に保育施設を義務付ける等の施策がなかったこと(日野市はこれで保育施設をかなり充実できたよう)なども問題だったわけですが、、、。

<2014.6.10記事>小金井市の待機児童数がさらにひどことに

6月議会での一般質問により、今年4月1日現在の待機児童数が昨年の188人から257人にさらに増加したことがわかりました。

 昨年の時点でも待機児童の割合が多摩26市最悪でしたので、今年はダントツで最悪ということになりそうです。


 今年は定員を大きく増やしたようですが、

  ・作るべき保育計画を作っていない

  ・部署間の連携が悪く、開発動向が保育課に伝わらず、需要予測が甘い。

  といった当たりが原因として考えられそうです。(こがねいコンパスなども参考)。そもそも体制が充分なのか、やる気が充分なのかとも思いますが、実証のしようがないのでこれ以上は書きません。(人員体制の比較とか実証できそうであれば書きますが。)


 日野市などでは大規模開発の際に保育施設の設置を義務付けるなどの対策をしているとか。小金井市も街づくり条例で一定以上の開発については届出・協議を行うこととなっているので、それに合わせて部署で連携した取り組みができるはずなので、保育課だけではなく、各課一丸となって取り組んでほしいものです。

<2014.6.17~24記事>待機児童 隣接市との比較

こがねいコンパスにも紹介されている「待機児童解消方針(行政報告)」の資料から周辺の市との比較をしました。使っているデータはこの行政報告と同じものですが、グラフ化することで見えるものがあると思います。


まずは未就学児童数に対する待機児童の割合及び保育所の定員(認可保育園と認証保育園の定員の合計)の割合をプロットしてみました。

青の点は平成22年を赤の点は最新(データがあるものは平成26年、ないものは平成25年)のデータをプロット。

 これを見ると

 ・武蔵野市と小金井市は保育所の定員が増えておらず、待機児童率が大きく増えている。

 ・保育所の定員を4%以上増えているところは待機児童率が減少又は0.5%未満の増加にとどまっている。

 がわかります。


さらに就学前児童の増加率と保育所の定員(認可保育園と認証保育園の定員の合計)の増加率、それと待機児童の増加率をグラフにしてみました。

小金井市の増加率は182.4%、三倍近くということ。

 皮肉なことに施設の増加率があまり大きくない武蔵野市、小金井市の児童の増加率が高く、待機児童の増加率が激しくなっています。

 最初のグラフでもわかるように、平成22年(青)の段階では、武蔵野市も小金井市も待機児童率は他の市と比べて多くはありませんでした。

 だからかわかりませんが、保育所の定員もあまり増えていません。

 一方、待機児童率が悪かった国分寺市、三鷹市は定員の大幅増加を図って待機児童率を下げています。おそらく相当な危機感があったのではないかと予想されます。

 幸い両市ともここのところは児童の増加率が2~3%にとどまっています。

 ~考えてみれば少子化少子化といわれつつ、近隣の市ではすべて未就学児童の数は増えています!

 小金井市も国分寺市、三鷹市のように汚名返上できるでしょうか。

 それは危機感の持ちようとこれからの取り組みにかかっています。