市役所の庁舎について

<2015年11月2~3日掲載>

市庁舎の話

全く事情を知らない方にもわかるように書きますので、一部の方には当たり前と思われることもあるかもしれませんが、ご容赦ください。

 「へー、あれは第二庁舎だったんだ。本庁舎って行ったことないな。」

 「本庁舎は消防署の隣にある建物で、議会とかが入っているね。傍聴に行った人は

  知っているはず。」

 「第二庁舎は市の建物じゃないの?」

 「実は大久保ビルという名前のビルで、大久保さんが持っている建物なんだ。」

 「市役所は自前でないといけないの?」

 「別にそういう決まりはないし、むしろ官民連携の視点から民間に作らせるべき

  という人もいるよ。むしろ問題は家賃が高いこと。値下げ交渉はしているけど今でも

  2億円、一時は2.6億円の賃料を払っていたんだ。」

 「それって高いの?」

 「第二庁舎は延床で6000㎡。普通のオフィスとして貸し出せば貸せる床は4500㎡

  (1360坪)、坪当たりの賃料を計算すると今でも1.2万円ぐらい。以前は1.6万円

  だった。そんな高い賃料は多摩ではありえないし、23区でも都心・副都心だけ。」

 「うわ~。」

 「平成5年から支払った家賃の総額は50億円以上・・・・。」

 「うわわ~。新しい建物が建つわね。」

 「第二庁舎だったら多分2棟建つね。ちなみに他の市と比べるとこんな感じ。」

(2013年10月の記事からなので、情報は少し古い)横軸は市役所の面積、

 縦軸は年間費用。

 「建物を持っていれば減価償却もあるから、一概には比較できないと思うけど。。。。」

 「建物の減価償却を引いても1億円は縮まらない。仮に1億円分小金井の点が

  下にあっても圧倒的に費用がかかっていることは間違いないよね。」

 「でも土地はあるんでしょう?なんで建てないのかしら?」

 「どうも長い経緯があるようだ。これを紹介するとまた終わらなくなるので、

  簡単にいうと。。。」

  • 平成4年 : 約104億円(利子は別)で蛇の目ミシン工場の跡地を買収:市役所の予定地とする。
  • 平成11年: 稲葉市長が南口再開発に市庁舎を建てるとの意向 ~ 結局断念。
  • 平成19年: 市役所予定地が焼却地候補の一つに ~ 結局二枚橋に→それも実現せず日野市との共同処理
  • 平成22年度基本構想、平成24年度基本計画を市民も交えた委員会で策定。
  • 平成26年: 第二庁舎買取案を提示 ~ 結局取り下げ。新庁舎の建設は当面凍結。

 「混乱の極みね。なんで素直に買収した土地に建てないの?」

 「わかりません。地主との関係みたいなことをいう人もいますが、あくまで憶測。

  平成5年から第二庁舎を借りて、まず10年契約だったので当面いいやということで

  特に考えていなかったのでは?そうこうしているうちにごちゃごちゃしてきて、

  結局計画ができたのは20年後。。。。まあこれも憶測だけど。」

 「でも結局計画はできたんでしょう?」

 「計画はできた。でも市役所を建てるにはお金が必要。基本計画では55億円かかると

  されている。今だったらあと10億ぐらい必要かも。この費用は最終的には市民の税金

  から出るんだけど、見通しが立っていないということのようだ。」

 「でも、今のままでも年間2億ぐらいかかるんでしょう?」

 「そうなんだよね。しかも、このための貯金も全然していないと・・・・。

  ちなみに今後5年の財政計画上もこのための費用は盛り込まれていないようです。」

 「あらまあ。」

 「そして利子を含め120億かかった土地の値段は今は40億ぐらいに値下がり。。。」

 「気分が暗くなるわね。」

 「市長選の論点としてはどうなるのかしら?」

 「論点としては微妙なところがあるよね。公式には庁舎予定地に建てるという建前

  だから、どこに作るかという議論をすれば誰でも同じ回答になると思う。」

 「建前?本音は?」

 「あくまで一部の人の憶測だけど、第二庁舎買取、とか。」

 「でも第二庁舎を買い取っても分散したままだから、基本的な解決にならないんじゃ

  ないの?」

 「そうですね。」

 「本庁舎も古いんでしょ。」

 「昭和40年築だから旧耐震の更に前の基準。耐震診断をしたら一般的な建物としては

  大丈夫だけど市庁舎のような重要な建物に求められる水準には達していないようだ。

  エレベータもないし、ずっと使えるような建物ではないと思うね。」

 「かといってお金の制約もあって・・・」

 「市役所だけでなく、ごみ処理施設とか、今後いろいろとお金がかかるなかでどうする

  か、難しい問題だね。その中でどういう方向を提案するか。黙っているか。

  が注目点かな。」

<2017年3月19日更新>

 2015年末の状況と違って、市庁舎がどうなるかわからないという状況は脱しています。

議会も建設場所については合意、現在のスケジュールでは平成33年度(2021年度)竣工を目指しています。

 検討すべき課題としては、

 ・現在市長が示しているプランの実現性

  (特にスケジュール。財源についてもプランが示された。)

  建設のためには今あるリサイクル事務所などを移転する必要があるという話があるが

  リサイクル事務所をどうするかのプランは今年度以降策定。

 ・市民の意見の反映 ~ なお基本設計については市民を交えた委員会は一旦終了

   大枠は決まっているはずだが、福祉会館と一緒にという話もあり、

  また議論が戻ってしまう恐れも。

 

 現在の検討バリエーションとしては

 ・福祉会館と市庁舎を合築する

  ・さらに余った土地に将来図書館を建てる

 ・福祉会館と市庁舎は別棟

  ・リサイクル事務所などを移転後建てる(移転しないと建てられない説)

  ・リサイクル事務所移転前に建てる(移転しなくても建てられる説)

 があります。

庁舎経費の比較<2016.12.22ブログをもとに>

 市庁舎にかかる経費について、小金井市は賃借なので、自ら保有している市と単純に比較はできません。他の市については減価償却費相当額を加算して比較する必要があります。

 施設白書に減価償却費の記載があるものはその金額を加算、それ以外は㎡あたり40万円の建設費と想定、うち70%を建築(50年償却)30%を設備(15年償却)とし、年間1.36万円/㎡を費用として加算して比較します。

 下記のグラフを見れば小金井市はやはり面積のわりに費用が多くかかっていることがわかります。