<2015年11月14日掲載>

人件費について

今日は人件費の話。

小金井市の職員の人件費が高いことは以前から言われており、2012年には人件費引き下げ条例の直接請求が行われたりもしました。

 このブログでも人件費の分析を連載し、HPの方に分析がまとめてあります。

 実はこの時点の分析は平成23年度決算に基づくものだったので、改めて新しいデータで分析しなおしてみました。

平成25年度の市町村別決算状況調によると、人件費の状況はこんな感じ。

 市民一人あたりの職員給は

  平成23年度 3万7千円(高い方から10位/26市)

    → 平成25年度3万3千円(16位) ~ちなみに平均は3万4千円

 職員一人あたりの職員給は

  平成23年度 約650万円(19位)

    → 平成25年度 約627万円(21位) ~平均は661万円

 職員一人あたりの市民の数(多いほど 職員数が少ないということ)

  平成23年度 174人(多い方から5位)

    → 平成25年度 188人(多い方から9位) ~平均は196人

 

 で、職員数が平均より多いものの、多摩26市の中で特別高いとは言えない状況になっているようです。

 さらに他の指標をみると・・・

  経常収支比率のうちの人件費(収入と人件費の関係を表すもの)

   平成23年度30.2%(1位:最も多い) → 平成25年度26.8%(9位)

  ラスパイレス指数(職員の給与水準を表すもの)

   平成23年度103.4(1位) → 平成25年度102.7(3位)

 となっています。

 「小金井市は人件費が高いといわれていたけど、もう言わせないよ。」

 「でもラスパイレス指数は高い。ということは給与水準は高いということじゃない?」

 「うーん。なんか不思議な感じだな。」

 「たぶん、他の市よりも職員の平均年齢が低いんじゃないかな。

  だから給与水準は高いけど年齢が低いから人件費自体は高くないと。」

 「なるほど。」

 「多分このまま10年ぐらい経つと、また他の市よりも高いと言われる日が

  来るかも。」

 「結局年齢的な偏りが将来どうなっているかだな。以前は50代以上が4割ぐらい

  いたらしいからな。」

 「長期的には人件費の多寡が問題になると思うけど、今はまずは今いる職員に

  しっかり活躍してもらうことでは?」

 「どっかの首相みたいなことを言ってるぞ。」

 「これまでの小金井市の課題をみてもらうとわかるように無計画であることが

  いろいろな混乱の原因になっているよね。今は職員の労力を無駄に使っている

  という面もあるんじゃないかな。」

 「むー、たしかに。。職員一人あたりの残業代も7番目に高いようだし、人員の配置

  とかいろいろ見直すところはありそうだな。」

<2017年3月19日追記>~3月20日アップ予定のブログ記事より

 小金井市の人件費を考える上での追加のデータ及び情報の更新をしました。

昔から小金井市は人件費が高いと言われています。

 時々聞く言説としては

 「革新市政時代に人件費が膨れ上がり、それ以後小金井市の財政は苦しくなった」

 「人件費が多くてまちづくりに金が回らず、最近大型開発が増えている」 などがあります。後段については、調べてみましたが定量的に検証はできませんでした。

 上のグラフは人件費の推移。いわゆる革新市政と言われたのは永利市長と書いている期間で昭和45年から53年までの8年間。

 それ以後はいわゆる保守系の市長ということになります。このグラフをみると保守系の市長になっても人件費は伸び続けたことがわかります。

 下のグラフで職員数をみると、確かに永利市長時代に大きく伸びています。これはごみ収集を直営化するなどして技能労務職が増えたことが大きいと思われます。以後技能労務職は減り続け、一般職員はあまり減っていないことがわかります。

 ただ、保守系の市長になって35年以上も経つので、いつまでも昔の革新市政のころに責任を押し付けるのはおかしいのでは?

 と思います。

 

昔は公務員は給与が安く、人が集まらなかったので民間並みに上げていったというような話を聞くこともあるのですが、実際どうなんでしょ。

 平成9年以後下がっているのは、人件費の見直しというよりも年齢層の高い人が退職していったからのようにも思います(要因は分析できていません。)

 市民の中には「市の職員は手取りで700万ある」と思い込んでいる人もいます。

 おそらくそれはピーク時であって、現在はもっと下がっているものと思われますが、いずれにせよ、情報発信していないところからきている誤解のように思われます。

職員数が平成3年(近年のピーク)からどれぐらい変化したかを見てみます。

大きく減っているのは一般管理、清掃総務、道路橋りょう、小学校管理、中学校管理、受託水道。

 昔はごみ収集・処理、道路の補修、給食や学校施設管理を市の職員がやっていたのが、主に委託になったことにより人数が減っています。水道は都に移管されたので純減。

 逆に保育園や生活保護、介護保険については増えています。

今後は他市との比較です。各種データを一挙掲載!(手抜き)

小金井市は人件費が高いと言われている割に、人口一人あたりにすると18位と多摩地域では低いほうになっています。

職員一人当たりにすると下から二番目という結果に。これをみるとただ人件費を減らせとばかり言う人に対しては違和感を感じるところですが、一方でラスパイレス指数(同じ年齢層などでの給与水準の比較)を比較すると小金井市は101(国家公務員を100とした指数、高いほど給与水準が高い)と7番目で、どちらかというと高いという結果になります。

このようになっているのは小金井市の職員が平均年齢が若いため。

時間が経つと職員一人当たりの人件費の順位もいずれ上がってくる可能性があります。

 

全般的にみるとむしろ職員のパフォーマンスやキャリアアップ意識に課題アリ(アンケートによると将来のキャリアが描けないとか、行政改革にとりくんだこともないという職員が多い。)

 人件費人件費とたたくばかりではなく、職員をどう活かすかの視点が必要でしょう。